日本ではなぜ『勘違いオヤジ層の意見』がはびこるのか

「若者には金が無い」ということが、世間一般的には決して「常識」ではないという現実 – yuhka-unoの日記

書かれていることに全面的に賛成ではないが興味深く読んだ。

専業主婦=奴隷と読める部分に引っかかっている人もいるようだが、私はこれを「日本ではなぜ『勘違いオヤジ層の意見』がはびこるのか」という問題提起として読んだ。

その原因を2つに分けてみる。
1)なぜ「オヤジ層」の意見は正しくないのか
2)なぜ正しくない意見であるにもかかわらず、世の中で支持されている(ように見える)のか

1)については、今の日本にはざっくり分けると正社員ホワイトカラー層と非正規雇用層があるのだが、意見を発表できるようなポジションにいる人は前者ばかりでいまだに「一億総中流時代」的な認識を持っていて、後者が見えていないのだろうと思った。特に若者に非正規雇用がすごく増えている(さらに、「ブラック企業を転々とする正社員」みたいな、かぎりなく後者寄りの前者みたいな人もいる)のに、それを代弁する人がいないと。

日本にも階層というものがあって、比較的、正社員層どうし、非正規雇用層どうしで交際・結婚することが多いと思う。交際というのは男女交際だけではなく友人としての交際も含む。非正規雇用層どうしだと経済事情で結婚に至らないことも多いだろう。ここでいわれるオヤジ層は子弟も高学歴→正社員だったり、会社に入ってくる女性総合職などしか見ていないのに若者全般を語ってしまうのではないか。

「自分を高嶺の花だと勘違いした女が、えり好みしているから、婚期を逃すんだろ」と考えている「オヤジ」も、決して少なくはないと思う。」というのは、いかにも正社員オヤジ層が自社に入ってくる女性総合職を眺めていて持ちそうな感想だと思った。

女性総合職の側から見たら、仕事は続けたいだろうし、別に結婚しなくても食べていけるし、わざわざ結婚したところで自分だけが家事育児を負担することになりそうなのがイヤで結婚を先送りにしているのかもしれない。誰でも与えられた環境でいちばん良い選択を目指すのは当たり前で、それを「えり好み」などというのは大きなお世話だと私も思うのだが、「オヤジ層」からはそう見えそうだということは容易に想像がつく。

このあたりの「自社に正社員で入ってくるような女性しかみていない」ところが「女性の社会進出を現状よりも過大評価している」ことにつながるのだろう。

一方で、女性の多くを占める非正規労働者は、とりあえず働き続けていればお金には困らないであろう女性総合職とは全く別の見通しで、結婚とお金の問題を考えているだろうから、「オヤジ層」が正社員女性だけを見てできた「近頃の若い女性ってこういうもの」という意見に対して的外れだと感じるのは当然だ。

2)について。

少子化問題に限らず、視野が狭いのになぜか社会問題について変な認識を語ってドヤ顔みたいなオヤジ権力者ってどこにでもいると思う。日本国内ではそれなりに尊重されているが外国人と接したとたんにボロが出たりとか。何か最近そういう政治家もいたような……。

最近の自己啓発本ブームをみても、Facebookなどで権力者にすり寄る人をみても、人はより社会的地位の高い人の話を聞きたがり、そしてそういう人の意見は内容の善し悪しを問わず広がりやすいというのはもう生存本能みたいなものでしょうがないのかなと思うようになった。

最近のネットとかソーシャルメディアも、こういう「話の内容よりも誰が語ったかが大事」的な傾向を後押ししていると思うし、個人発行の有料メルマガなどもその流れに乗ったものだと思う。

別のブログから引用する。
ブログとメルマガだけの関係 – あざなえるなわのごとし

Kindleで素人が本出したりとか。
プロブロガーも色々出してるねぇ…誰とは言わんけど(数人浮かぶ)。
コンテンツの品位と品質、内容と対価のバランス構造がおかしくなってる気もする。
逆に手間のかかるアプリが無料で、そのくせ少しのミスで酷評されたりとかね。
あれってどういう価値観なんだろうか。
ニコニコの生主にはさくっと払って、グダグダのコンテンツを見てそれなりに満足して、
有料の素人メルマガにさくっと払って、毒にも薬にもならん記事を読み、
無料のアプリをDLしてちょっとミスがあるとレビュー欄に「最悪」とか書きこみ、
無料で見てるブログに気に入らないことが書いてあったら
「は?イミフwwwwwww」
とかコメント付けてみる、みたいな。
即物的で脊髄反射しか感じられないなぁ…。
価値って言うか、その価値を測る尺度って言うか。
そういうズレを色々と感じるなぁ…。
勿論、もしそういう人物が実在するなら、だけれど。

他人の意見やアプリなど「物そのもの」を直接評価するのは難しいが、社会的地位があるとか個人的に親しみがあるとかで「個人」を評価する方が簡単なので、特に頭を使いたくない人はそっちに流れる風潮があると思う。先に挙げた失言政治家が2人ともtwitterやfacebookのヘビーユーザーであることも関係があるかもしれない。

というわけで、

1)なぜ「オヤジ層」の意見は正しくないのか
→最近の日本は階層分化が進んでいるが、上層に属している彼らはそのことに気づいていないから
2)なぜ正しくない意見であるにもかかわらず、世の中で支持されている(ように見える)のか
→発言者に社会的地位があれば、それだけでその人の意見を持ち上げる人が多いから

ではないかと思った。

できることは、そういう「オヤジ層」的な、実際には的外れな意見が政策などに反映されないように、専門家が止めることだけではないかと。