studygiftにおける、支援される人の信頼性について

最初にstudygiftのサイトを見たとき、若い女子の性を売り物にしてる感がすごくてうへぇと思った。iPhoneを持って寝転がった、アイドルグラビアまがいの写真。文章は、成績が落ちたことへの反省と再発防止策や、復学したら今後どのように学生であることを生かしていきたいのかなどの、学生として、人間としての中身が示されていない、不十分な内容だと感じた。そんな状態で容姿をアピールしていたら、そこから伝わるメッセージは「私の性的魅力にお金を出してください」である。

Webデザインの問題も大きいと感じた(担当したWebデザイナーが、デザイン性を重視して文章を削ったとtweetしている)。たとえばphaさんも、いろいろお金や物をもらって生活しているようだが、叩かれないのはブログで自分の考え方や生き方をしっかりした文章で示し、容姿を売りにしていないからだろう。

この仕組みをプラットフォームとかセイフティーネットとか言うのには無理を感じた。そもそも、学費を出せないような学生は厳しい家庭環境に育った場合が多いわけで、たとえばアル中で働かない父親に殴られて育ちましたみたいな、悲惨な話を並べて値付けするような行為はどうか? という批判もある。もっというと、貧しい国では物乞いのためにわざと足を切断する人がいるというが、それに似た行為が起こったらどうするのか。

でもまあ第一号の、やまもといちろう氏言うところの「ああいう女性」がお金を集めることについては、私は好きじゃないしお金は出さないけど、出したい人が出すのを否定する理由はないのだろうと最初は思っていた。

しかしその後、早稲田大をすでに退学していて復学できるかどうかも確実ではないのに、さも在学中であるかのように書いていたことがわかった。studygiftの文章によると、就職活動の自己PRのためにGoogle+を始め、Google+に写真をたくさんアップして日本一という成果を得た反面、学業はおろそかになってしまった――のように受け取れるが、それ以前にすでに奨学金が止まり学費が払えなくなっていたと思われ、かなり嘘の多い文章でお金を集めていたのではないかという疑惑がある(参考:studygift坂口綾優の学歴詐称ほぼ確定か)。

写真やSNSに出会う前、1~2年生の時はたくさんのお金を給付される、条件の良い奨学金をもらうことができたため、そのおかげで大学に通えていました。しかし現在、それまでの良い成績をキープできずに奨学金を打ち切られてしまい、学費が払えない状態になってしまいました。

初めは授業を休んでアルバイトで学費を払おうとしましたが、ますます成績が下がって奨学金が止まり(早稲田大学校友会と日本学生支援機構、2つの奨学金を受けていました)、結局まだ続けたい大学を辞めるしかない状態になってしまいました。そもそもGoogle+は就職活動のために始めたのですが、学費が支払えず退学になるという状態では通常の就職活動を続けることは不可能になってしまい、なんのために大学に入ったんだろう、と感じました。

ここで思うのは、こういう形で学生が自己PRをしたとして、その内容が信頼できるかどうかお金を出す側が判断するのはけっこう難しいということだ。今回の場合、本来なら、studygiftを運営する団体リバティが審査して主張の内容を保証するべきだろう。しかし彼女は、リバティのメンバーと恋人関係にあり同棲していたとか、自身がリバティの一員であったとか言われている。こんな状態で彼女を公正に審査できるわけがない。やまもと氏がtwitterで同棲の有無を答えるよう迫っているのは、単なるゴシップ趣味ではない。

さらに、この件に関する佐々木俊尚氏の意見には同意できない。すでに述べたように、問題になっているのは正確でない情報を提示してお金を集めたことだ。佐々木氏の主張は「詐欺がバレたらお金を返せばそれ以上の罪には問われない。なぜなら私人間の問題だから」という内容に思える。

おっちゃんと姪のたとえもよくない。この場合おっちゃんが騙されても訴えずに当人同士で解決を目指すのは、姪のことを小さい頃からよく知っていて悪意がないこともわかっており(つまり、信頼は担保されている)、身内のもめ事は身内で解決するべきという感覚もあると思う。でも今回の「姪」はネットで見ただけだから、悪意があるかどうかなんて誰にもわからない。

それを除けば、佐々木氏の主張は「個人が個人を助ける仕組みがあったっていいじゃないか」ということだけで、そりゃあ別にいいと思いますよ、でもあの長文を費やして言いたいことはそれだけですかみたいな。

したがって結論としては、ネット越しに個人が個人を助ける仕組みはあっていいと思うが、支援される人が寄付に値するかどうか判断するのはかなり難しいということだ(信頼できるのは、学業成績、実績のある賞などだろうか)。お金を集めたい側には、話を盛るインセンティブがある。特にプラットフォーム提供者と支援される人が結託していたら嘘をつき放題だ。そこをしっかりチェックしないと、行きつく先は嘘八百に対して頭弱い人が投げ銭するプラットフォームだ。

この期に及んで、studygiftがきっかけになってこのような学費を払えない人を助ける寄付が盛んになればいいとか言っている人がいるが、むしろ、今後別の団体がstudygiftのような仕組みをまじめに作っても、この団体と推薦する学生は本当に信頼できるのかと疑いの眼で見る人が増え、この種の寄付行為全体にとってマイナスになった事件だと思う。