- 2010/07/22 21:46
- 社会・意見
少し前の映画ですが、マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』はDVDやらブルーレイやらでバージョン違いがたくさん出てましたね。あれは、本編以外の特典映像とブックレットとかがバラバラなんでしょうね。
今は電子書籍の端境期なので、紙版で出したものを電子版で出せるし、今後電子版同士でも、紙の書籍の「単行本」「文庫化」という以上に細かい特典コンテンツをつけたバージョン違いが出せるようになるでしょう。しかし、同じコンテンツでいくつも新しいバージョンを出すのは、出す方の商売としてはおいしいだろうけど、買う方としては「まとめてよ!」と思います(つまり、『THIS IS IT』なら、特典映像全部とブックレットがついたバージョンが欲しいです)。単行本を買って増補文庫版とかが出ると損した気分になる貧乏臭い人間の意見ですが……。
それから、CDアルバムとか書籍を買ったら、特定の店舗で購入すると流通していないブックレットとか、トークイベントとかの特典がつくことが後から分かるというのも、若干がっかりします。特典目当てで同一コンテンツを何度も買う人もいますね。既にコンテンツそのものは目当てではないという。大量生産できて、中古品の売買もできるコンテンツというものは、ある物事とかイベントとかに比べてかなり価値が落ちていて、むしろコンテンツ本体の方が「おまけ化」しているってことでしょうね。
最近たいへん流行している雑誌のおまけもそうなんですが、そういうコンテンツを作ったり、書店やCDショップで売ったりしている人たちは、コンテンツそのものじゃなくて、付属するイベント、増補版、特典コンテンツとかによって本体コンテンツを買わせたり、特定の店で買わせることを問題だと思ってないのかな、売れればそれでいいのかな、と、なんとなく疑問に思っています。
確かに、そのコンテンツを今まで知らなかった人に新しく売るより、一旦そのコンテンツを買ったファンに「おまけ付き」をもう一回買わせる方がハードルが低そうなので、マーケティング的には少ないコストでより多くの売り上げを得るのは間違っていないのでしょう。
それに、私が勝手な期待をしているのかもしれません。コンテンツを作る人、届ける人に非営利的性質(その文化、言論等が広まってほしい、多くの人に楽しんでほしい)を持っていてほしいと考えているからかも。その考え方でいくと、同じものを1人に2つ買わせる戦略よりも2人に1つずつ買ってもらうほうが上になるし、買う側としては、同じ本を2冊買うよりも1冊はほかの本を買うほうが、消費スタイルとしては好きです。
脱線しますが、「自然なお産」とかホメオパシーとかを信奉する人たちには、科学によって大量生産できるものとか、全国どこでも均一なレベルの治療が受けられる医療などは価値が低いという考えがあるのかなと思います。全国どこでも均一な(悪くないレベルで)医療が受けられるって本来すごいことなのに……。
コンテンツの話と代替医療の話を強引にまとめると、人間は、各コンテンツとか医療などの質を直接測るのは難しいから、その「(メディア的な)目新しさ」「手に入れにくさ」によって認知を節約して質を測った気になるのではないか。しかしあくまでも代替的な方法であって、本当の質を測っているわけじゃないんだけど、その錯覚をうまくつくのがマーケティングなのかな、と思いました。そう考えると、一部の有名人が自分の差別化のために利用するのもわかるというか。(参考:元スイーツ妊婦、「自然なお産」を考える。(その2 歴史や世代からの考察) – kobeniの日記)
たとえば出産のような人生で数少ない経験の質を、経験する前に判断する必要があるとき。日本ではある時期までは病院の近代的なお産が最高だったのが、その後医療が空気のように当たり前になった結果、一部の人が代替医療的なお産に走っているという結果があると思います。
一部にマスコミを「マスゴミ」とののしる人がいるのも、マスコミ報道が広く行き渡って空気のように当然になったのが理由の一つかなとも思います。実際に質も低下しているかもしれないけど、手に入れにくいものの質が低下してもそこまで叩かれないのではないかと。
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