個人サイトを穏やかに10年続ける方法

私は1998年12月に個人サイトを始めたので、途中閉鎖していたことはあったものの、開始からは11年を過ぎました。自分の経験から、個人サイトを長く運営するにはこうしたらいいんじゃないかなーと思うことを書いてみます。私は個人サイトについては、大人気になることよりも細く長く、人生の記録として続けることをよしとしていて、今まで自分がやったように運営してきてよかったなあと思っています。正体を隠して煽りに煽ってはてブを稼ぐようなサイトは想定していません。

1)技術的に可能なら、ドメインを取って、レンタルサーバを借りて、多くの人が使っているオープンソースのブログツールを入れるのがオススメ

技術的な話から始めます。現在、個人サイトを始めるなら、まず考えるのはブログツール(レンタルサービスを含む)を使うことかなと思います。ブログツールはいちいちHTMLを組まなくともよく、permalink、カテゴリ機能、RSSなどいろいろと便利です。

私が個人サイトを開始したころは、ブログという言葉もなく、HTML手書きが普通でしたが、その後、色々なツールを使ってきました。黒木掲示板CGIを改造して投稿欄を自分だけにしか見えなくして、自分用のブログツールのようにしたこともありましたし、nDiaryというwiki記法のようなテキストを書くと、ローカルでHTMLを生成してくれるので、それをアップロードするという仕組みも使いました。その後tDiaryに落ち着き、かなり長く使っていましたが、2008年にWordPressに移行しました。

WordPressのプラグインやテーマを入れたり、デザインをいじったりする程度なら、プログラミングができなくても、FTPができてHTMLとCSSが大体分かれば可能です(私はこのレベルです)。

以上のようなことができて、これから開始するならWordPressがお勧めです。世界で一番多く使われているブログツールで、各種プラグインが公開されているので、レンタルブログよりはできることの幅が広いと思います。ただし英語は読めるほうがベターです。

なぜ多くの人が使っているオープンソースのブログツールが良いのかというと、自分でプログラミングができなくても、作者がツールのアップデートに飽きて放置、その後進化が止まってしまうという可能性を極力少なくできるからです。あるブログツールを使おうとしていて、現在ある機能だけでよい、これ以上進化しなくても構わないと今は思っていても、今後セキュリティホールが明らかになったり、新しいネットサービスと組み合わせたりという需要は必ず出てくると思います。

しかし一般的には、ブログを開始するときにはブログレンタルサービスで借りる人が最も多いと思います。それでも良いと思います。特に、技術的な知識がない場合、ブログのアップデート等のメンテナンスが面倒な場合はおすすめです。

ただし、ブログレンタルサービスは、そのサービス提供会社がブログにどれだけ力を入れるかによって、使える機能などが左右されてしいます。運営会社がレンタルブログで収益を上げられない場合、ユーザーを引き寄せるための新機能追加はあまり行われないでしょうし、最悪の場合、サービスごと他社に売却してしまうこともありえます。最近では、ドリコムブログがライブドアブログに売却されたという例もありました。この場合、ログは引き継ぐことができますが、前のブログにもらったリンクはすべて無効になってしまいます。そのほか、画像アップロード容量が制限ぎりぎりまで来てしまい、ブログ移転を余儀なくされるということもあるのではないでしょうか。

またサービス会社の都合でなく、自分の意思で他社のサービスに移った場合も、やはりリンクは引き継がれませんし、ログの移行が難しい場合もあります。

ドメインを取ってレンタルサーバを借りるならば、URLはドメインを更新する限り半永久的に同じです。各種レンタルブログでは、有料オプションとして、ドメインマッピング(自分で取得したドメイン上にレンタルブログを設定するもの)がありますが、上記のブログレンタルサービスを使う場合と同じデメリットは残りますし、その後同じドメインでレンタルサーバを借りてブログツールをインストールしようと思った場合、同じ記事を同じURLで維持するのは、不可能ではないでしょうがかなり難しいため、外部からのリンクは引き継げないと考えた方がいいです。なので、ブログツールのインストールができるなら、最初からそうした方がいいと思います。

2)テーマは決めなくてもいいのではないか?

たとえば海外生活を開始したときに、「○○のハワイ生活」みたいなタイトルでブログを始める人がいます。そして、何年か経ってハワイを去るときに「目的を終えたので閉鎖します。東京に戻ってからの生活は http://example.com/ で~」と移転を通知する人がいます。あるいは、料理にはまっているときにお料理ブログを作り、飽きたら放置とか。そういう人は、ブログサービスを借りるときのアカウントでhawaiiとかcookingとか入れるので、別の用途には使いづらいのかなーと想像します。あるいはcookpadに付属するブログなど、そもそも料理について書くことを期待される場を選んでしまうとか。

そうではなく、「自分のなんでもブログ」を1つ作って、料理とかハワイ生活とかいうのはカテゴリにすればいいんじゃないかなと思います。ある時期には料理カテゴリが頻繁に更新され、あるときは別カテゴリでいいじゃないですか。

ブログをずっと続けるということを考えると、ある時期の状態や興味をブログのURLなど変えられない部分に使うのは避けたほうがよいということです。

3)なぜそこまでして続ける方がよいのか?

単純に、長く続ける方が読者が増えます。やはり多くの人に読んでもらえるのは嬉しいです。また、個人サイトを長くやっている人というのは、ネット上の発言についてある種の信頼感を持ってもらえることが多いと思います。また私は、ブログの読者はほかの誰よりも未来の自分だと思っているので、それほど頻繁にはやりませんがブログをあとで読み返すのは楽しいです。さらに、ネットでブログを読みあって、その後会うようになったという友人がいるので、彼らからの信頼という点でも、ブログをころころ閉鎖したりハンドルネームを変えたりしたいとは思いません。

4)いつ誰に読まれてもよい内容にする。感情の捨て場にしない

とはいうものの、リセットして、ハンドルネームも変えてキャラクターも変えて、新しいブログを作る人というのもたくさんいます。そういう人は、あるときに今までのログが恥ずかしくなるのかなと想像します。人間だからそういうことはあります。でも、本当に過去ログの全部が捨てるべき内容でしょうか? 過去に書いたブログで、恥ずかしい、特定の誰かに読まれたら困る、という内容を書いてしまったら、その記事だけ消してしまうのはどうでしょうか。全部捨てるよりは、残したくない記事だけ消す方がましです。

また、はてな匿名ダイアリーに顕著ですが、同じ人が継続的に書く一般的なブログでも、相手が読んだら分かるような悪口や愚痴などを、「どうせ見つかることはないだろう」とばかりに、感情のゴミ捨て場的に書く人がいます。こういう文章は、気が済んでしまったら、自分のブログの過去ログに残っているのがイヤな気分になるでしょうし、そういう文章がたまってきたらリセットもしたくなるというものです。そういうものは、書きたいならローカルのファイルにしておき、ネットに置くのはやめましょう。どうしても他人に読ませないと気が済まないのなら、mixiで公開を限定して書きましょう。ネットは広いと思っていても、オープンなネット上に書いたものは案外相手に見つかるものです。私は過去に、会社の同僚が私の悪口を書いているブログをたまたま見つけたことがあります。職場の具体的な仕事内容が書いてあったので、会社名も同僚や私の本名も書いてありませんでしたが、自分のことだと分かりました。

5)匿名でもよいが、苗字または名前をもじったハンドルネーム、あるいは人名として自然なハンドルネームにする。匿名でも、いつ本名が分かっても構わないというつもりで書く

私が98年に個人サイトを始めたとき、当時の私と同じような理系の大学院生で個人サイトをやっているような人は、ほぼ本名・所属を出していました。それもあって、私もあまり深く考えずサイト内に本名と所属を出し、外部の掲示板等に書き込むときも本名を名乗っていました。その後、yuco.netというドメインを取ったこともあり、yucoというハンドルネームを使うようになりました。

そのような経緯もあって、私のネット活動をずっと追っている人には名前はバレています。過去の職場の人でもこのブログを知っている人は多いでしょう。「なかのひと」を試したところ、過去の勤め先3社からこのブログへのアクセスはかなり多かったのです。さらに、義両親もこのブログの存在を知っています!

そうは言っても、これからブログを始める人に実名を出すことはお勧めしません。企業によっては、従業員のブログ利用を禁じているところもありますし、そうでなくてもあとから問題視されることがあります。たとえ勤め先がそのような会社でも、ブログに本名を使わず、内容で仕事に触れず、会社からアクセスしなければ、バレそうになってもしらを切って逃げられると思います。

ただし、書くときは、途中で誰かに実名をバラされても構わないという心がけで書くのがいいと思います。リアル知り合いにあとから知られたら恥ずかしいという意味では、凝りすぎたハンドルネームもお勧めしません。苗字または名前をもじったハンドルネームあたりが妥当なのではないでしょうか?

……といろいろ書いてきましたが、私の知っている範囲でも、レンタルブログでも、面白ハンドルネームでも、テーマが1つだけでも、ずっと続けている人は続けています。「私はこうしてきたよ」という一例以上のものにはなりませんが、参考になれば。