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自分からの「個人情報流出」という概念はアリなのか?

カテゴリー : ネット関連,社会・意見 — 2009/08/25

以下のような記事がありました。東京都教育委員会の発表した元データはこちら(PDFです)

学校裏サイトの個人情報流出、意外にも「他者」でなく「自身」から ~ 都教委調べ:Enterprise:RBB TODAY (ブロードバンド情報サイト) 2009/08/21

 東京都教育委員会(教育庁)は20日、学校非公式サイト、いわゆる「学校裏サイト」などの7月の監視結果について公表した。

(中略)

 書き込みそのものについては1579件、うち不適切な物が1100件だった。不適切な書き込みの内訳は違法・犯罪行為2件、家出0件、自殺・自傷7件、自身の個人情報542件、他人の個人情報153件、誹謗中傷239件、不適切行為(飲酒・喫煙)157件となっており、意外にも、“自分自身による個人情報流出”がもっとも多く、不適切な書き込みの半分近くを占める結果となった。

 おそらく、校種別内訳などと考え合わせると、低年齢の利用者が交友目的で、つい自分の本名や携帯番号、メールアドレスなどを書いてしまったりするケースが多いのだろうと推察される。

“自分自身による個人情報流出”って一体なんでしょうか。自分の情報を握っている他人が、自分の許可なく情報を出すから「流出」と呼ばれるのであって、自分の意思で自分の情報を出すのは本来個人の勝手でしょう。

ここで調査対象になっているのは生徒ですから、住所や家の固定電話は親のものでしょうから、子供の判断で勝手に公開すべきでないというのは理解できます。しかし自分の携帯番号やメールアドレスを出すことを、問題行為とみなしているのはどうでしょうか。

学校裏サイトにしても「裏」とかアングラっぽい名前がついていますが、単なる学校別の私的な掲示板でしょう。「低年齢の利用者が交友目的で、つい自分の本名や携帯番号、メールアドレスなどを書いてしまったりするケース」と、いかにも自分の情報を出すのは未熟で幼い行為のように印象づけていますが、自分の意思でWWWに個人情報を出している大人はたくさんいます。それも広い意味での「交友目的」によって。私もつい最近までメールアドレスを出していました。スパムメールがたくさん来るので、メールフォームに変更しただけです。

判断力が不十分な子供だから保護すべきという理由だとしても、どうせ携帯やメールアドレスはリセットがきくのですから、出すべきではない場所に携帯番号やメールアドレスを出して、来て欲しくない電話やメールを受け取って、いやな思いをしたって、いい勉強になったと思って携帯番号やメールアドレスを変更すればいい話です。むしろ今後の情報社会を生きるうえで、子供のうちにネットにどこまで自分の情報を出しても大丈夫かという線引きを、ときには失敗しつつ学んだほうがいいのではないでしょうか。

mixiの利用規約改定がひどい件でも書きましたが、ネットで知り合った相手はネット上だけの付き合いにして、本名やその他の連絡先を交換したり、会ったりすべきではないという考え方がここにも表れている気がします。私はネットで始まった知り合いと実際に会っていいことがいろいろあったと思っているので、こういう考え方は好きではありません。

(追記)

ブクマコメントrnaさんのTwitterでの反応も読みましたので思うことを書きます。

たとえば、子供(この調査では小中高校生)が外を歩いていると犯罪者が声をかけるかもしれないから外を歩かせない、ということにはならないじゃないですか。そんなことを気にしていたら何もできない。子供への連絡先が出ているのが危険だというなら、子供が生身をさらして外を歩いているというのは、本人へのダイレクトアクセスが可能という点で、究極の危険です。

それでも子供を外出させるのは、ありうる危険を上回るメリットがあるからだと思うのですが、ネットで連絡先を公開することは、外を歩くことに比べてそんなに危険が増すのかってことです。交友目的でメールアドレスなりを出す生徒がいる、ということは、実際にその交友目的が果たせて楽しかった、ということが、良くない事柄の何倍も起こっていると思うのです。それに比べて「学校裏サイト(あるいはそれ以外のウェブサイト)」で連絡先を出したせいで犯罪に巻き込まれるケースがそんなに多いのかということ、そのリスクを、子供は一切とってはいけないが、大人(18歳以上?)になったらとたんにすべて自己責任というのもおかしい気がしています。

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