チェ 39歳 別れの手紙 (スティーブン・ソダーバーグ監督)(2009.2.1)
池袋シネマサンシャインにて。映画の日にもかかわらず割とすいていました。この映画館、Yahoo!映画での評判はあんまり良くないですが、個人的には特に不満はありません。
『チェ 28歳の革命』の後編。前編を見たときから思っていたんだけど、これはあんまり親切な映画ではないし、かっこいいチェ・ゲバラを見たい人のための映画でもない。前編では成功に終わるキューバ革命を達成するまでの戦闘がメインだったのだけど、今回は失敗に終わり本人も政府軍につかまって射殺される、ボリビアで革命を起こすべくゲリラ軍で戦うゲバラを映している。
私は映画リテラシーが低いからか、最初のほう、しばらく見ていてチェ・ゲバラが変装して自分の友人のふりをして、家族と最後のディナーを共にするというシーンなどがよく理解できず、???という感じだった。変装したって子供には声などで父親だと分かると思うのだけど…。
前編の勝利に終わるゲリラ戦さえ決してかっこよくは描かれなかったので、今回の戦闘はなおさら救われない感じ。前編のキューバでは地元の農民の支持を得ていたし、軍隊に入りたいという若者が来るので、読み書きができない者や武器を持っていない者はダメだと断るくらいだったのだけど、今回は農民にも支持されず、軍隊を抜けたがる人も多く、ゲバラ本人は持病の喘息の薬を持ってこなかったことに悩まされる。
普通、革命に成功したら、革命を起こした人たちはその国の大臣などになって、そのまま安泰に生きる。ゲバラだって、キューバにそのままいれば大臣のポストが保障されていたのに、ほかの国でもう一度革命を起こしたいといって、キューバを出て行く。職業革命家。カッコいいとも言えるけど、つまり、人並み外れた能力とリスクを好む性質のある人が、若い頃に心身に非常に負荷がかかるゲリラ戦をした結果、革命に勝利するというたぐいまれな経験をして、ゲリラ戦こそが自分の居場所、戦闘とそれに続く勝利をもう一度別の国でやりたい、と思ってしまったということではないかと。もともと、ゲバラはアルゼンチン生まれでキューバ人ではないので、キューバ革命も他国の革命の手伝いだったわけで、だからボリビアでもコンゴでも同じという感覚だったのかもしれない。
前編でキューバの大臣として国際機関で演説したときも、周りの人たちはみんなスーツなのにゲバラは軍服で、それはゲリラ戦によって政権を取ったという自分たちのアイデンティティがその軍服であったわけなんだけど、ゲバラは軍服を着た大臣でいるのではなく、軍服が本来機能するべき戦闘の場に戻っていった。しかし、キューバのときは、もともと現政権への不満が強かったのがよかったのか、カストロというリーダーがよかったのか、その他いろいろな幸運が重なったのだろう。革命なんてそうそううまくいくものではない。
主演のベニチオ・デル・トロは役作りとはいえ最後のシーンでよくあそこまで痩せたなあと思った。まあ、ゲリラ戦で疲弊しきっているはずのシーンで余計な肉がついていたら説得力ゼロですが。この人も普通にかっこいいとは思いますが、あとでゲバラ本人の写真をWikipediaなどで見ると本物の方がもっと整った顔でかっこいいのね。
この人がもし、現代アメリカとか日本に生まれていたらどうなっていたのかなー。リスクの大きいスポーツとかを好んでその選手になっただろうか。ゲバラは医師で、ゲリラ戦では負傷した仲間の治療をしたり、地元の貧しい農民に受け入れてもらうために出張診察をしたりとそのスキルが生きたわけだが、テロリストがいるような危険地域に渡って医療行為をするようなNGOに加入していたかもね(日本人女性医師が最近テロリストに捕まって、その後解放されましたね)。
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2 枚組 ( DVD )
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