- 2008/10/17 00:12
- 文化(音楽・美術展・イベントなど)
池袋新文芸坐の「ヨーロッパ映画の巨匠たち」という特集で10月15日に鑑賞。
『女の都』との2本立てだったのだけど、こちらはあまりにもダメで途中で出てきてしまった。入れ替えなしの2本立てだから、『甘い生活』を先に見ておいてよかったー。この映画を観るのは2回目で、1回目は2007年6月に観ています。
今年の夏にローマに行ったが、『ローマの休日』が最も有名なローマ映画で、2位はこれだろう。みやげもの屋にはローマの休日グッズがたくさんあったが、この映画の、女優シルヴィアがトレヴィの泉の中で遊ぶ有名なシーンをプリントしたトートバッグとかも売られていた。
とはいえ、この映画で私が場所を特定できたのはトレヴィの泉とヴァチカン市国のサン・ピエトロ寺院くらいで、あとはシルヴィアが踊るレストランはカラカラ帝浴場らしいんだけど行っていないし、ヴェネト通りもたぶん歩かなかったなぁ…。この映画、ローマの街中もあるけど、車で郊外に出るシーンが割と多いし。
感想を断片的に
ストーリーらしいストーリーもなく、ただいくつかのシーンが連続する映画なのでそれにならって感想も断片的に書こうと思う。
ローマにやってきて、ちょっと抜け出して街中でローマの夜を楽しむアメリカの女優シルヴィアとそのお守りをする記者のマルチェロというのは、『ローマの休日』のオマージュかなと思った。彼女は人工的なグラマー美人で、すごく無邪気なキャラクター。そしてマスコミに囲まれ「夜何を着て寝る?」と質問されると「フランスの香水を2滴よ」と答える。つまり、マリリン・モンローが『ローマの休日』をやってみたらこうなりましたという。本当は、このシルヴィア役はマリリン・モンローにやってもらいたかったのではないだろうか?
ちなみにシルヴィアが、ヴァチカン市国のサン・ピエトロ寺院にある急な狭い階段をのぼって屋根に出るシーンがあるが、これ私たちも行きました。でも、通路の様子が私の記憶と少し違う(通路の途中にある窓とか)ので、これ本物ではなくセットかなあ? と思ったり。本当に狭い急な階段なので映画のためのカメラとか照明を持ち込むのは大変だと思われます。
最初に観たときにも思ったけど、都会にすれた登場人物が多いなかで、マルチェロのお父さんが実にいいキャラクターで見ていてほのぼのする。家は田舎にあって、仕事で都会に出ることもあるけど、都会暮らしではないので、都会を楽しむけど都会ずれはしていない。息子のやっていることを100%理解しているわけではないけれど、愛と理解をもって見つめている。マルチェロは子供の頃父親が仕事でほとんど家にいなくて、話ができなかったというが、このいいお父さんに育てられた息子なのに最後堕落する…というのが救えなさを感じるとも思った。
主人公マルチェロには同棲しているメンヘルの恋人がいる。でもマルチェロは魅力的な女性と見たら口説くし、寝るしなので彼女はそれを薄々感じていてますますメンヘルが悪化する。彼女は映画の冒頭で服毒自殺を図って病院にかつぎこまれるのだが、この時もマルチェロは浮気して女性と一晩過ごしていたのだ。彼女は彼の愛を得ることばかり思い詰めていて、ときに大げんかもする。最後徹底的にマルチェロが堕落したとき、傍らに彼女の姿はないが、2人の関係がどうなったか分からない。
Wikipediaからの小ネタ
主人公と同業の友人役で、パパラッツォと呼ばれる人がいる。仕事がパパラッチだからそう呼んでいるのかな? と思っていたのですが、甘い生活 (映画) – Wikipediaによると、パパラッツォという役名で、この映画がパパラッチの語源になったのですね。知りませんでした。
本作以降、有名人や芸能人をつけまわし、その人の私生活や個人的なことまで記事として情報誌や新聞などに売って生計を立てているカメラマンを登場人物パパラッツォの複数形として呼ぶようになった。
それから、ニコ – Wikipediaにもある通り、ニコがそのまんまニコという役名の、お気楽なパーティ人種の役でちょっとだけ出ています。
10代の頃からパリを中心に『ヴォーグ』、『エル』といったファッション誌のモデルとして活動し、その後、フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』(1960年)等の映画に端役で出演。この頃に、ニューヨークに移り、しばらくの間、ヨーロッパとアメリカの両方で活動を行う。
作品情報
以下、甘い生活(1960) – goo 映画より作品情報。
- 原題 : La Dolce Vita
- 製作年 : 1960年
- 製作国 : イタリア
キャスト(役名)
- Marcello Mastroianni マルチェロ・マストロヤンニ (Marcello)
- Anita Ekberg アニタ・エクバーグ (Sylvia)
- Anouk Aimee アヌーク・エーメ (Maddalena)
- Lex Barker レックス・バーカー (Robert)
- Yvonne Furneaux イヴォンヌ・フルノー (Emma)
- Alain Cuny アラン・キュニー (Steiner)
- Magali Noel マガリ・ノエル (Fanny)
- Nadia Gray ナディア・グレイ (Nadia)
- Jacques Sernas ジャック・セルナス (Sernas)
- Annibale Ninchi アンニバレ・ニンキ (Marcello’s Father)
- Walter Santesso (Paparazzo)
- Riccardo Garrone リカルド・ガローネ (Riccardo)
- Carlo Di Maggio (Toto’ Scalise)
- Renee Longarini レネ・ロンガリーニ (Steiner’s Wife)
- Valeria Ciangottini ヴァレリア・チャンゴッティーニ (Paola)
- Audrey McDonald (Jane)
- Polidor ポリドール (Crown)
スタッフ
- 監督 Federico Fellini フェデリコ・フェリーニ
- 音楽 Nino Rota ニーノ・ロータ
解説
「崖」のフェデリコ・フェリーニ監督の新作。退廃したローマ上流社会が描かれている。フェリーニとトゥリオ・ピネリ、エンニオ・フライアーノが共同で書いた原案を、この三人にブルネロ・ロンディが加わった四人が共同脚色した。撮影は「青春群像」のオテロ・マルテリ、音楽は「戦争と平和」のニーノ・ロータが担当。出演するのは「掟(1959)」のマルチェロ・マストロヤンニ、「ローマの旗の下に」のアニタ・エクバーグ、「恋人たち」のアラン・キュニー、「今晩おひま?」のアヌーク・エーメら。製作ジュゼッペ・アマート。一九六〇年カンヌ映画祭でグランプリを受賞した。
あらすじ
作家志望の夢を抱いてローマに出た青年マルチェロ・ルビーニ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、今は社交界ゴシップ専門のトップ屋となった。憧れた都は退廃と無気力以外の何ものでもなかった。カトリックもキリストの像をヘリコプターで運ぶなど、華やかな示威をした。豪華なナイトクラブでは、ローマの大富豪の娘マッダレーナ(アヌーク・エーメ)にめぐり会った。場末の夜の女の宿でマルチェロと一夜をすごすことも、彼女にとってはほんの気まぐれだった。郊外のわびしい家に帰った時、マルチェロは同棲中の愛人エンマが服毒して苦しんでいるのを見た。しかし悔いる気持も永くは続かなかった。彼はハリウッドのグラマー女優(アニタ・エクバーグ)を迎えると、野外で狂乱の宵を過し、名所トレーヴィの泉で戯れた。ローマ地方の郊外で奇蹟が起きた。再び聖母出現の日の聖地はテレビ・カメラに包囲され、奇蹟にあやかろうと横たわる病人の上に豪雨が降りそそいだ。日頃マルチェロのため悩みの絶えぬエンマは熱狂して信じた。二人は友人スタイナー(アラン・キュニー)の家を訪れ、調和と安らぎに満ちたその生活を羨んだ。或る夜、豪壮な館のパーティーに出たマルチェロは、虚脱したように歓楽をむさぼる貴族たちの仲間入りをした。スタイナーは死んだ。子供を連れた無理心中だった。平和に見えた一家のこの悲劇の深さはマルチェロの残った夢をすべて消した。その場限りの快楽の他に今の彼は何を望んだろう。やがて海に近い別荘でこの世のものとも思えぬ乱痴気騒ぎの狂宴がくりひろげられた。マルチェロは自ら狂乱の中に没入した。夜明け方、人々は快楽に疲れ果てた体をひきずって海辺に出た。波打ち際に打ち上げられた怪魚は、腐敗し悪臭を放ち、彼らの姿そのものだった。彼方から顔みしりの少女ヴァレリアが何か叫んでいる。その声は波に消されて彼の耳には入らない。真実の生命の清純さに溢れる少女に背を向けて、マルチェロは砂浜を別荘の方へと戻って行った。
この映画のDVDは何種類か出ていますが、現時点で最も新しいのは2008年1月に発売されたこのデジタルリマスター版のようです。
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